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これだけは知っておこう!奨学金制度
大学に進学するには、高校までとは違う高額の授業料が必要となります。また、自宅から通える大学に通えればよいですが、場合によっては遠方の大学に行かないといけなくなる必要があります。その場合には高額の費用が掛かります。
そうした場合に役に立ってくれるのが、奨学金制度です。奨学金はそのお金を授業料や、一人暮らしの生活費に充てられます。
ローンの一種ですが、自動車ローンや住宅ローンと異なり、安価な利率でお金を借りることができます。ただ、お金を借りるということはメリットだけではなく、デメリットもあります。そのため、そうしたデメリットを熟知したうえでお金を借りる必要があります。
そうした奨学金制度について、特に四年制大学に通った場合について解説していきます。奨学金を知ることで、より自分に合う奨学金を借りられたり、よりお得な奨学金を借りられるでしょう。
奨学金について
奨学金は誰でも借りられるというわけではありません。まず、大学に通う学力や能力を持っているかが必要となります。大学に合格する学力はもちろんのこと、高校の成績を審査されることも少なくありません。
もちろん、大学に通うからには、大学で深く学びたいという本人の意欲が必要です。
そして、お金を借りるための理由があるか、すなわち、家庭の経済的な理由も考慮されます。保護者の収入が高額な時には、例え成績がよく、大学で学びたいという意志が強くても奨学金が借りられないことも少なくありません。
大学は四年間にわたるため、奨学金の金額も数百万になります。そのお金を10年や20年かけて返済していきます。返済する間隔は毎月のものがほとんどですが、中には数か月単位で返済することができるものもあります。そして、まとまったお金ができたときには、一括で返済する方法を認めている場合がほとんどです。
こうした奨学金は主に二つに分けられます。一つは国や市町村、都道府県が行っているもので、公的な奨学金と呼ばれます。国の奨学金は、日本学生支援機構があり、県や市町村の奨学金はその県や市町村の名前がついていることもあります。
また、国の奨学金は一定の学力や収入の基準を満たせば借りられます。しかし、都道府県の奨学金は本人が今どこに住んでいるか、出身地、保護者がどこに住んでいるか、あと学校の住所も考慮対象になります。そのため、大阪出身で、東京の大学に通っているが、愛知の奨学金を借りるといった、自分に関係ない都道府県の奨学金を借りることはできません。
この都道府県の奨学金制度は全ての都道府県にあるため、自分の通う大学や、出身地、保護者の居住区などを含めて調べてみましょう。
もう一つは民間の奨学金です。大学によっては大学独自の奨学金制度があり、それもこちらに含まれます。他にも民間の育英会の奨学金、新聞配達をすることでもらえる新聞奨学金もこちらに含まれます。
こちらも一定の条件が必要となります。大学独自の奨学金はその大学に通っていることが必要です。育英会などは学力、親の収入などが考慮されます。中にはあまり制約のない奨学金もありますが、基本的には一定の条件下において貸与が許されていることがほとんどです。
そのため、自分はこれくらいの成績で、親の収入がこれくらいだから借りられると考えずに、各々の奨学金の条件を調べることが必要です。
また、奨学金の中には無利子であるものと、有利子であるものがあります。無利子の場合は借りた金額を、有利子の場合は借りた金額に加えて利子分のお金を返済しなければなりません。
教育ローンと何が違う?
奨学金と教育ローンは一見、子供の教育に充てるために借りるものとして同一視してしまう場合もあるでしょう。しかし、この二つは似ているようで異なっているため制度を解説します。
奨学金を借りた場合は、借主は大学に通う本人、すなわち学生の名前で借ります。子供の名前で借りる借金です。しかし、教育ローンを借りるのは保護者です。そのため、借主が大きく異なります。まず、名義が違うことが大きく異なります。
奨学金を申し込むときには、大学入学後や春先など申し込み期間が定められています。その期間を過ぎたら申し込むことができません。しかし、教育ローンはいつでも借りられます。借りられる時期が違うというのも大きく異なります。
奨学金は学生のためのものです。そのため、在籍している学校を通じて申し込みます。入学後に大学で奨学金を借りるための必要な事項や返済について説明を受けます。また、申し込み用紙も学校でもらうことができます。
ただ、借主が学生でも単独で借りられるわけではありません。保護者が返済できない場合の連帯保証人になる必要があり、さらに保証人が必要な場合もあります。その場合は保護者以外の兄弟や親せきに保証人になってくれるように頼む必要があります。
しかし、教育ローンは貸し出しが金融機関となっています。そのため、この教育ローンを借りたいという金融機関を決める必要があります。そして、その金融機関に出向き、説明を受ける必要があります。
教育ローンを含めて双方とも審査があるのは変わりません。ただ、審査内容は教育ローンは返済能力があるのかということを判断されます。そのため、返済能力があると判断されると借りることができます。
奨学金を借りたら、金融機関を登録します。そして、その金融機関に毎月決まった額が振り込まれます。そこから学費などを捻出していく必要があります。
ただ、教育ローンは最初に金額を決めて借りることができます。そのため、100万を借りると決めたのであればその金額が一気に振り込まれます。
奨学金は利子がかかるものがほとんどですが、有利子のものも在学中は無利子となっています。しかし、教育ローンは一度お金が振り込まれてしまえば、そこから利子が発生します。そのため、四年大学に通うとなれば、返済期間は同じであっても利子の分、教育ローンのほうがお金がかかることになります。
また、奨学金は返済をはじめるのが学生本人であることもあり、卒業後から返済が始まります。そして、そこから利子が発生します。しかし、教育ローンは親が借りたものであるため、借りた翌月から返済が始まります。
奨学金の長所
奨学金の長所を解説します。制度としては学生が働き出してから返済できることです。大学卒業後に就職をする人がほとんどであるため、その後給料等から返済をしていきます。返済方法は口座引き落としが一般的です。
ただ、人によってはもっと学問を学びたい、将来の夢を叶えるためにはもっと上に進みたいという決断をする場合も少なくないでしょう。そのとき気になるのが、大学院に進学したときはどうなるかです。大学院に進学したときは、全てではありませんが借りた奨学金によっては返済の開始時期を延ばすことも可能です。
その場合には自動的に返済期間を延ばすことができないため、あらかじめ返済猶予が可能なのかを調べておきましょう。そして、可能な時には所定の手続きを取るようにしましょう。分からない場合は借りている団体に問い合わせると、そのような方法が可能かどうか教えてくれます。
また、返済期間も種類によって異なりますが、10年、20年という長い期間を設けられています。大学に四年通うと、トータルで数百万借りることになります。ただ、返済期間が長いため、月々の返済額が1万から数万程度と安く抑えられるのも魅力的です。
また、お金を借りると、基本的に利息がかかります。返済期間が長ければ長いほど、その利息は大きくのしかかります。利息の面でも大きなメリットがあります。
最大四年という期間は決して短い期間ではありません。その大学進学中は無利子であることも大きいでしょう。その分、長い期間で返済していくことも、この安い利息のメリットを実感できます。支払うお金も少なくなります。
親の収入も考慮されるといった点から、大学には通いたいが金銭的に厳しいという人でも借りることができます。
また、金融機関からお金を借りた場合、10パーセント近い利息がかかることも少なくありません。教育ローンの場合も同様です。しかし、奨学金は3パーセントと低く抑えられています。奨学金には利息がかからないものもあり、そうしたものは返済する金額が低く抑えれらます。
奨学金はお金を借り、卒業後に返済していきます。そのため、ある意味では借金です。金融機関から借金をしていて返済しているというと、周りの反応があまり芳しくありません。
しかし、奨学金の場合は、ある程度の学力が必要とされることは知られています。また、勉強をしたいが、親がその費用を負担するのが難しかったなど、どういったものかは周知されています。そのため、借りて返済をしていると言っても、周りには受け入れられやすいのが実情です。
また、返済しなくていいタイプのものであれば返済義務は当然ありません。
奨学金の短所
奨学金制度の判断基準は本人の学力だけではありません。
- 勉強をするための環境が整っているか
- 家族の収入はどうなのか
- 家族構成はどうなのか
など多くの側面から判断されます。
そのため、様々な基準から条件を満たしていないと判断されれば、お金を借りることができません。親の収入が判断基準になるものでは、成績が良くてもお金が借りれなかったということも少なくないため自分だけではどうにもならないことがあります。
また、借りるには必ず連帯保証人、場合によっては保証人が必要になります。連帯保証人は主に保護者がなるため、誰かに保証人になってもらうように頼まなけれななりません。親しくしていて保証人になってくれる人がいればいいですが、なってくれる人を探すのも大変です。
返済は主に本人が卒業してから開始します。ただ、もし病気や失業など、何らかの理由で本人からの返済が滞った場合、連帯保証人が返済していきます。ただ、環境の変化により連帯保証人が返済できない状況になった場合には、保証人が返済義務を負います。そうなれば、保証人にも迷惑をかけてしまいますので、人間関係に問題が生じてしまう場合もあります。
また、奨学金は大学入学後や、申請して通ってから、大学を卒業するまでの期間となります。この期間とは卒業するための最短期間です。この間、病気で入院をして、留年してしまったという場合にはその一年分のお金を受け取ることができません。休学の場合も同様です。そのため、五年目以降は自分でお金をねん出しなければなりません。
返済は10年から20年の長期に渡って行いますので、長所にも短所にもなる一面があります。大学卒業後の収入が少ない時期に、毎月少しずつの返済でいいのは助かることでしょう。
しかし、その間に病気をしたり、失業をしてしまえば、その間は収入がなくなってしまいます。そうなると今まで順調に返済をしていたのに、できなくなってしまうという可能性もあります。その長い期間、返済を続けていけるかというのが大きなデメリットの一つでしょう。返済が終わるころには、30代半ばから40代に入ってしまうこともあります。
毎月、少額とはいえ返済していくのを負担に感じる場合も少なくないのではないでしょうか。また、奨学金を複数から借りた場合、返済する金額が多くなり負担となってしまいます。
また、貸与型で無利子のものの場合、返済額は基本的に借りた金額と同額になります。しかし、有利子のものであれば、借りた金額以上に返済しなければなりません。利息が安いとはいえ、借りた以上の金額を支払うのは短所となります。
「給付奨学金」と「貸与奨学金」
奨学金には大きく分けて二つの制度があります。
給付とは「与える」という意味になります。給付奨学金とは、その名の通り返済義務のない奨学金、という事になります。国や地方自治体、企業などが出しているものです。こちらの制度はどちらかといえば、企業や団体が学生を支援する目的でつくったものが多いでしょう。
例えば、大学で成績優秀な生徒に大学の学費を免除する制度があります。こうしたものが給付型のほうに分類されます。
ただ、返済義務が無いという事はお金を与えるに値する人物という事が求められますので、貸与型と同じ基準で審査するという事はありません。保護者の収入が考慮されることもありますが、それだけではありません。学習意欲があるかというのはもちろんのこと、その学生にお金を給付する価値があるかというのもしっかりと見ていきます。
そのため、特別優秀な学生や、ある指定された学部に通っていて成績が上位の生徒に限ったりと、学生本人の能力を判断基準として見る意味合いが強くなります。返済義務がないため、当然利息はありません。また、金額も貸与型に比べて抑えられているのが特徴です。
給付型の場合、給付金のみで学費等を賄うのは難しいため、他に奨学金を借りるか、アルバイトをするなど選択肢が必要となります。
誰でももらえるわけではありませんし、貸与型のように卒業後まで必ずもらえるわけでもありません。貸与型に比べて特別な審査があったり、面接をしたり、論文を書いたりとが必要となります。
こうした奨学金を受けたいと思う場合には、その奨学金の団体に問い合わせたり、ホームページに記載されている情報を参考にしたりと様々な情報を積極的に活用しましょう。
また、学校で情報を提供していたり、大学で受付をしている場合もあるので、まずは大学に問い合わせて解説をしてもらうのが無難ではないでしょうか。
②貸与型
その名前の通り、貸してもらえる奨学金のことです。
・有利子
・無利子
のものがあり、給付型のものに比べると基準も低く受けやすくなっています。
貸与型の奨学金は将来返済するというのが大前提です。返済していくのは当然であり、返済しなかった場合には電話での連絡があることも少なくありません。
こうした奨学金は長い歴史を持っており、年々学生の間で受け継がれていきます。そのため、卒業後に返済したお金は新しく奨学金を借りたい学生へと貸与されます。そのため、返済が滞れば、奨学金制度そのものを危うくします。借りたお金ということを忘れずに、しっかりと計画的に返済するようにしていきましょう。
日本学生支援機構
日本には様々な奨学金制度があります。その中で最もポピュラーなものといえば、日本学生支援機構の奨学金ではないでしょうか。日本学生支援機構は様々な学生の支援事業を行っています。
一つは奨学金の貸与の事業です。そして、その奨学金は日本の学生に限りません。留学生への支援事業にも乗り出しており、国際貢献にも一役買っています。
この日本学生支援機構の奨学金制度は大学生だけではなく、短大生も利用している事が多く、大学生・短大生あわせて三割が活用しているとされています。そのため、この奨学金については大学側も詳細を熟知しています。直接日本学生支援機構に問い合わせなくても、大学側が解説してくれるでしょう。
この日本学生機構の奨学金制度には大きく分けて二つあります。
第一種は貸与型ではありますが、無利子です。自宅か、国立か、私立化によって金額は変わってきます。
まずは国立大学に入った場合についてです。自宅通学の場合は月45000円が貸与されます。そして、自宅外の場合は51000円です。この自宅外というのは、一人暮らしや寮に入っている場合のことです。
私立大学の場合は、自宅通学であれば54000円、自宅外通学の場合であれば64000円となります。無利子の場合はある程度の学力が必要となります。それには高校時の成績も加味されます。そのため、高校時から学校の勉強を頑張っておく必要があります。
また、収入の目安もあり、両親二人、子供一人の給与所得者であれば752万円、給与外の所得者であれば303万となります。世帯人数が増えていけばいくほど、金額の上限が増えていきます。返済期間はいくら借りたかによって変わってきます。そのため、自宅外の私立大学に通っていた場合、その金額が大きくなります。
②第二種奨学金
こちらは有利子の奨学金です。年率は3パーセントとなっており、金額は3万、5万、8万、12万から選択可能であり、多くの金額を借りたほうが、大学生活を送る上では安心でしょう。ただ、それに利息が付くうえ、返済しなければなりません。そのため、この金額を借りたら、いくら返済しないといけないかをあらかじめ計算しておきましょう。
例えば5万借りた場合、自宅外の国立の51000円と同じくらいの額となります。しかし、利息の分、返済が大変になるでしょう。返済期間は一種と同様です。
また、収入の制限が緩和され、世帯人数が3人で給与所得者の年収が1080万円まで、給与所得者以外の場合は594万円まで緩和されます。申し込み方法は、進学後や進学前の高校三年の時に申し込むなどいくつかあります。
その他の奨学金制度
その他の奨学金制度として最も有名なのは学内奨学金制度です。大学や短大、大学院などが各々の奨学金制度を持っています。これは私立大学に限りません。国立大学でも常備しているところも多いでしょう。
大学によっては優秀な生徒であれば、学費の免除をしているところもあります。こうした奨学金も学内奨学制度となります。これらの奨学金は学生の成績のみで判断し、家庭の収入を加味しないことも少なくありません。
また、経済的な理由に重点を置き、尚且つ成績上位者にお金を貸し出す制度もあります。自分に給付は無理だろうと最初から諦めずに、給付と貸与の仕組みをしっかりと把握して、分からないことがあれば解説してもらいましょう。
民間の育英会や公益法人による制度もあり、こちらは大学によってどれくらいの生徒が受けられるか分かります。給付型で返済義務はありませんが、成績が優秀でないともらうことができません。年齢の制限が設けられている場合もあります。
あしなが育英会は大学に限らず、高校や専門学校に通う生徒にも奨学金の貸し出しをしています。こちらは貸与型です。ただ、誰でも申請できるわけではなく、病気や災害、自殺など、交通事故以外で保護者を亡くした場合などに申請できる制度です。この奨学金は無利子で、卒業して20年で返済していきます。
あしなが育英会は自動車事故で保護者が亡くなった場合には借りることができません。
しかし、保護者が交通事故に遭い亡くなったり、障害が残ってしまった場合に働けないという場合に借りることができる制度もあります。交通遺児育英会です。高校生以上が借りることができ、無利子でほかの奨学金と併用することができます。
学生生活を送るために、学費や生活費のためにアルバイトをする学生も少なくないでしょう。それと同じような感覚で新聞配達をすることで新聞社が学費の一部や全額を支払ってくれる制度もあります。働いた分だけ給与ももらえるため、その給与を別のことに充てることもできます。
条件は新聞社によって異なるため、新聞社に問い合わせをしてみましょう。こちらは新聞社が受付の窓口となっています。必要な時には無利子で貸し付けを行っているところもあります。
奨学金を借りる場合にあらかじめ知っておきたいのが、併用できるかどうかです。大抵の奨学金は併用が可能となっていますが、中には併用が禁止のものもあります。
大学や高校での学生生活には多くのお金が必要となります。そのため、併用可能であっても利子を含めたらいくら返さないといけないのかもしっかりと確認したうえで借りるようにしましょう。
通っている学校で情報収集をしよう!
奨学金制度は貸付条件や金額などがあらかじめ決まっています。そのため、過去の情報であっても、有益となる場合がほとんどです。ただ、もっとも制度を熟知しているのは、制度をもっている団体や、大学側です。そのため、制度自体は大学で確認するようにしましょう。
どこに行けばよいのかというのは大学によって異なります。大学ではどこでも奨学金の担当を受け持つ部署があるので、問い合わせる、解説してもらうのがもっともよい選択肢でしょう。主に学生課に奨学金の部署が設定されていることが多くなります。
また、大学の掲示板等に情報が記載されていることもあるので、そうした掲示板等を確認しましょう。ホームページで情報を記載しているところもあります。そうした情報を確認してみてはどうでしょうか。
大学独自の奨学金を考えている場合は、学校での情報収集が欠かせません。具体的に学校に聞いてみる必要があります。
大学に入学したばかりであれば、そうした案内もよく目にする機会もあるでしょう。新入生や、新規に奨学金を申し込みたい生徒あてに、説明会を特別に開催していることもあります。そのため、そうした案内にはしっかり目を通すようにしましょう。
説明会等でわからないところは解説をしてもらい、制度を熟知したうえで借りるようにしましょう。
高校生で奨学金を受けたい場合も同様です。学校で奨学金の案内をしている場合もあります。高校でも説明会が開催されていることも少なくありません。そのため、分からないことがあれば先生に聞いてみたりと行動を起こすようにしましょう。
学校に通っていると友人で奨学金を受けたいと思う人も少なくないでしょう。先生からの情報収集も必要不可欠ですが、同級生や先輩との情報交換も有益です。成績や世帯年収などこれくらいで借りられたという生の声を聴くこともできます。友達同士で声をかけあうことで、申し込み締め切り日までに申し込みを忘れずに行えるといったメリットもあります。
学校に入ったばかりのころは一人で精力的に動くのに抵抗があると感じる方もいらっしゃるかもしれません。そういう場合にも友達と一緒に奨学金について情報交換をすると心強いでしょう。
書類の書き方がわからないというときも同様です。ここはこういったことを書けばいいだろうと、自分で判断して書けば、書類の書き直しや再提出を求められることもあります。そのため、分からない箇所が出てきたときには、どのように書けばいいのか、どういったことを書けばいいのかを確認しながら書いておくようにしましょう。
忘れないで!奨学金は紛れもない「借金」
奨学金は毎月決まった額が振り込まれます。まとまった額を見て、これだけの手持ちのお金があると勘違いしてしまいそうになったという人も少なくないのではないでしょうか。給付型であれば返済義務がないため、そうとらえても間違いではありません。
しかし、貸与型の場合は卒業後にお金を返済するという義務が待っています。そのため、学校の卒業前に返済についての説明を受けたり手続きを行う必要もあります。学校側で貸し出し時と同様に返済時にも解説が行われることが多いので、しっかりと説明を受けておきましょう。そして、卒業してから奨学金の返済が始まります。
就職して奨学金を毎月決まった額を返済していくというのが理想的です。ただ、就職活動がうまくいかず無職ということもあるでしょう。また、就職したとしても満足のいく収入が得られなかったり、失業したり、病気をしたりなど様々な環境の変化が訪れます。突然お金の返済が厳しくなったという状況に陥ることもあるでしょう。
そういった時のために、事前に奨学金制度を熟知しておくことはとても大切になります。手続きをすることで返済期限を伸ばすことができる場合もありますので、まずは慌てずに、窓口などに問い合わせるなどして相談するようにしましょう。
また、いざというときのために奨学金返済のための預金を作っておくこともよいのではないでしょうか。また、日常生活を節約することで奨学金の返済ができるのであれば、そうした倹約に勤しんでおくのも有効です。
奨学金は受け継がれていくものです。返済したお金が今、必要とされている人に貸与されていきます。そうした制度であるため、以前借りた人が滞りなく返済をしていくことで、次に学校に通う人がお金を借りることができます。借りたまま返済しなければ奨学金制度自体が危うくなってしまいます。
そうならないために、自らの学生生活において奨学金がどれほど助けになったのかを改めて考え、返済しなければならないものと言い聞かせておきましょう。学生の間は貯蓄も厳しいかもしれませんが、それでも少しずつ貯蓄していけば、借りているお金という実感がわきやすいのではないでしょうか。
また、奨学金には繰り上げ返済という制度もあります。そのため、働き出してからお金が余剰にできたときには、繰り上げ返済をしていくのも有効です。特に有利子の奨学金を受けている場合には繰り上げ返済をしていくことで、返済総額を減らすことができます。
奨学金制度は学生生活を豊かにしてくれますが、その制度を絶やさないために、借金だということを常に頭の中に入れておきましょう。