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アコムの金利は高いの?利息を安く抑えるコツも伝授

アコムで借入したときにどの程度支払うことになるのか分かっていない人はとても多くいます。というのも、アコムなどのカードローンの金利の仕組みが難しいからです。この程度借りたらこのくらいの金利が適用されて、最終的にはいくらの総返済額になると理解している人は少ないでしょう。仕組みを知っていれば返済計画も立てやすくなります。

 

金利の仕組み

アコムは実質年利3.0%から18.0%、限度額は最高で800万円、保証料なしというのが基本です。初回利用に限って30日間の無利息サービスが付帯します。

 

①貸金業法で制限されている

アコムの金利は貸金業法によって厳しく定められています。大手の金融機関ですし、法定金利以上の金利で貸し付けることはありません。利息制限法では、借入金額が10万円未満のときには年利20%、10万円以上100万円未満のとき18%、100万円以上では15%を上限としています。アコムはこの制限利息を遵守しています。

ほとんどの場合、初回契約では利用限度額は50万円、金利は年率18%が適用されます。

インターネット上には「アコムの金利は29.2%もあって」などと記載されているページがありますが、これは2006年の貸金業法改正前の話です。アコムで30万円借りたとき、金利が18%を超えることはありません。

ただし、返済が遅れたときには年利20%の遅延損害金が請求されます。18%の金利を適用すると、10万円を借りて30日後に返済すると1479円の利息が発生すると考えましょう。

 

②日割りで計算する

アコムでは、利息額は年利から算出した日割りで計算します。たとえば30万円を借りると年利は18%が適用されます。1年間の利息は5万4000円となります。

覚えておきたいのは、これを「日割り計算」するということです。借入金に金利をかけて、それを365日で割ると1日の利息が算出できます。

30万円借りると、日割りの利息は147円となります。これに30日または31日をかけた額が1ヶ月後に返済するときの利息です。30万円を90日間借りる利息は1万3315円ですが、180日間借りると利息は2万6630円となり、利息の合計額は1万3000円も違ってきます。

同じ金利を適用しても日割り計算で利息を算出するので、なるべく早く返済したほうが総返済額は安くなります。

 

③返済に金利が含まれる

アコムで借入して返済するときに覚えておきたいのは、アコムの返済方式が「元利定率リボルビング方式」ということです。「元利」とは返済額のなかに利息を含むことを指しており、定率は借入残高に応じて最低返済額が変わることで、リボルビング払いは要するに分割払いという意味です。

たとえば金利18%で10万円借入すると、30日後の利息は1479円となりますが、アコムでは元利方式ですので返済した額からこの利息を徴収します。5000円を翌月に返済すると、そこから1479円を差し引いた3521円を元金に充当します。元金は9万6379円となり、翌月はさらにここに日割り計算した額の30日または31日をかけた額が利息となります。

10万円借入して毎月5000万円を返済したとすると、返済回数は24回で総返済額は11万9777円になります。

 

アコムの金利は高いのか

アコムは消費者金融業者としては標準的な金利を適用しています。いわゆる「街金」と呼ばれる中小の消費者金融業者では限度額10万円のとき上限金利の20%が適用されることがありますが、アコムでは18%を適用しています。

 

①銀行との比較

アコムの適用する金利は実質年率3%から18%です。これを銀行と比較してみると、たとえば三菱UFJ銀行カードローンは3.5%から14%、三井住友銀行カードローンは1.8%から14.6%、みずほ銀行カードローンでは4%から14.5%で、銀行のカードローンのほうがぐっと低い金利となっています。

その代わり、銀行のほうが審査が若干厳し目です。アコムの強みは審査が銀行よりも柔軟である点です。銀行は元々個人消費者向けのローンの取り扱いに厳しく、歴史もそれほど長くありません。審査は会社向けに適用するような厳しいものでした。その審査から漏れてしまった人に対して貸付をしたというのが消費者金融業者の発祥です。

そういった経緯から今でも銀行の審査は厳しく、消費者金融業者は緩めという傾向があります。ただし、金利は高めに設定されます。

 

②他社との比較

アコムは他の大手の消費者金融業者と比較すると、あまり金利面では変わりません。アイフルやSMBCモビットは年利3%から18%を適用するのでアコムとまったく変わりません。ノーローンも同様です。

プロミスは最高金利が17.8%で、若干低めです。大手はほとんど横並びという状態と言っていいでしょう。銀行のローンの審査に自信がないという人にとっては、金利よりもサービス面や自宅の近くにATMや店舗があるかといった地理的な条件で選択することになるでしょう。アコムは「むじんくん」という自動契約機が全国に設置されているという点がメリットです。

 

③下限金利の適用条件は?

アコムでは下限金利は3%とされています。電車内の広告で見かけたことのある人も多いでしょう。消費者金融に馴染みのない人は、この金利が適用されるかもしれないと期待するかもしれませんが、これが適用されることは非常にまれです。

銀行のカードローンの公式サイトを見ると、利用限度額に応じて適用される利率を一覧で確認することが可能ですが、アコムではそういった一覧表を発表していません。利用者の信用力や個人属性によっては18%以下が適用される可能性がありますが、通常の契約では初回の利用限度額は100万円未満で金利は年利18%が適用されます。

下限金利はかなり低いと考えられますが、これが適用されるのは利用限度額が800万円が設定された場合に限ります。初回の設定からここまで引き上げるのは困難であり、個人でそのような借入できる返済能力を評価されることは珍しいでしょう。

 

④ゼロ金利とは?

アコムなどの消費者金融は金利が銀行と比較すると高いのは確かにデメリットです。ただ、アコムでは初回利用に限り、最大30日間の金利ゼロサービスが実施されています。これも広告などで大きく表示されるので見かけたことのある人は多いでしょう。

これは契約日の翌日から30日間の金利がゼロになるサービスです。10万円借りて30日以内以内に返済すると、利息を付けない10万円ぴったりを返済すれば完済したことになります。

ただし、これには2つの条件があります。1つにはアコムでの契約が初めてであることです。まったく利用した実績がないことが必要です。2つ目には、返済期日を35日ごとに設定した契約者に限ります。アコムでは返済を毎月指定日にする「毎月払い」も設定できますが、こちらの契約ではゼロ金利は設定されません。

また、あくまで「契約日」から30日間であって、初めて融資を受けてからではない点にも注意が必要です。

 

返済シミュレーション

アコムの返済では、借入金額ごとに最低返済額が異なることに注意しましょう。最終返済のときの借入残高によって上下します。限度額が30万円以下のときと、それを超えるときで計算式も違っています。限度額30万円以内の契約では10万円借りると最低返済額は5000円ですが、30万円超の契約では4000円となります。

 

①10万円を借りたとき

アコムで10万円を借入したとき、毎月最低返済額のみで返済すると支払い回数は65回、総返済額は13万6723円となります。

毎月5000円ずつ返済すると支払い回数は24回、総返済額は11万9772円です。

毎月1万円を返済すると支払い回数は11回、総返済額は10万9158円となります。

 

②30万円を借りたとき

同様に、30万円を借入した場合をシミュレーションしてみると、毎月最低返済額のみで返済すると支払い回数は103回、総返済額は43万9022円となります。

借入当初の最低返済額である1万3000円を毎月返済すると支払い回数は29回、総返済額は37万993円です。

毎月2万円を返済すると支払い回数は18回、総返済額は34万2404円となります。

 

③50万円を借りたとき

アコムで50万円を借入したとき、毎月最低返済額のみで返済すると支払い回数は58回、総返済額は75万1057円となります。

借入当初の総返済額である1万5000円を毎月返済し続けると総返済額は69万8327円です。

毎月5万円ずつ返済していくと、支払い回数は11回で総返済額は54万5806円となります。

このように、毎月の返済の負担が大きいほど利息は小さくなって総返済額にも違いが出てきます。最低返済額は利用残高に応じて減っていきますが、それだけを返済すると結局はかなりの額を支払うことになります。

 

利息を下げるには?

アコムでは通常、金利は18%が適用されて返済方式も元利定率リボルビング方式です。返済の仕方で総返済額は下げることも可能ですが、金利18%というのは実は結構な負担です。この部分をどうにかしたいと考えるのも無理はないと言えるでしょう。

 

①限度額100万円以上に設定

アコムで金利を下げる方法として最も確実性が高いは、利用限度額を100万円以上に設定することです。

アコムは法令を遵守する正規業者ですので、法律で定められた金利で貸付します。利息制限法では「借入額が100万円以上では15%が上限金利」と定められています。そのため、100万円以上の限度額に設定できれば金利は確実に18%以内になります。

ただ、100万円以上の限度額に設定するには、300万円以上の年収があり、信用力もあるとアコムから信頼され、さらに収入証明書の提出が必要になります。限度枠は契約時の審査で決まりますが、利用実績を積んでから引き上げしてもらうことも可能です。

増額申請と言いますが、これで認められれば金利が下がる可能性があります。

 

②取引を継続する

アコムでは、返済能力が確かに合って、期日に遅れずにしっかりと返済する人を優良顧客とみなして金利を下げてくれることがあります。アコムでの利用実績と返済の遅延・延滞がなく、他の金融機関からの借入もきちんとしている人というのが条件です。

アコムとしては、優良顧客にはたくさん融資したいと考えています。融資する側としては、多くの借入をしてもらって利息収入を得たいからです。アコムは銀行と違って「個人の消費者」がメインの顧客です。そのため、いいお客さんにはサービスして利用を拡大してもらいたいと考えるのは当然とも言えるでしょう。

 

③交渉してみる

アコムの店頭やコールセンターで「金利を下げてくれ」と言って成功したという事例が報告されています。

誰もがやれる手段ではありませんが、アコムではそういった相談も顧客サービスと考えて対応してくれるのは確かです。交渉して金利を下げたいというときには、電話ではなく店頭窓口でやったほうが成功率が高いとも言われています。

単に生活が苦しいから金利を下げてくれと言っても通じないでしょう。他の金融機関の金利の比較や返済シミュレーションをしてみて他社のほうがお得であることや、アコムそのものは利用を続けたいこと、多少引き下げてくれたらずっと利用を続けたいなどを交渉材料として持っていきましょう。

 

④返済額を増やす

アコムの金利は、返済などの最終利用で残った額に年利18%を日割りでかけていく方式です。

50万円借入して30日後に5万円返済すると、日割り計算30日分の7397円が利息となり、残りの4万2603円が元金に充当されます。利用残高は45万7397円で、この額に金利がかかります。この方式ですので、返済額を増やせば金利は下がらなくても総返済額は減っていきます。

50万円の借入を毎月1万5000円ずつ返済すると利息の総額は19万4085円ですが、毎月5万円ずつ返済するとこの総額が4万5119円にも減ります。

アコムでは最低返済額以上の金額であれば、いつでも繰り上げ返済を受け付けています。お金のあるときには多めに返済し、お金が足りないときには最低返済額を支払うという感覚で利用すると結局は得します。

 

まとめ

金利の計算は原則さえ分かれば自分でもやることができます。現在の利用残高がいくらなのか、それをどの程度のペースで返済したら完済できるのかを計算して、計画的に返済していきましょう。