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アコムの解約方法は2つ
アコムでの返済が終わったら解約したいと考える人も多いでしょう。ところが、公式サイトでも解約についての詳細な情報は記載されていません。顧客流出を防いで再利用してもらいたいと考えているためと推測されています。アコムを解約するには、店頭に行くか電話連絡するかの2つしかありません。無人店舗の「自動契約機むじんくん」では解約できないので注意しましょう。
アコム解約の基礎知識
アコムのカードローンは基本的に自動更新です。完済してもそのまま放置していれば、ローン契約そのものは継続します。
解約したほうが住宅ローンの審査などで有利になるなどのメリットもあるので、基本的なやり方を知っておきましょう。実際には非常に簡単です。
①必要書類
アコムの解約で必要な書類は、本人確認書類とアコムのローンカードです。これは店頭で解約するときには必要ですが、アコムに電話連絡して解約するときには書類の提出の必要はありません。その代わり、生年月日や会員番号を確認されます。
また、アコムと契約したときに契約通知書や契約事前説明書が発行されますが、これを提示する必要はなく、また返却の義務もありません。金融業者によっては解約時に契約書の返却を要求するところもありますが、アコムはもっと簡単です。
解約の証明書が必要であるときには申し出ましょう。通常はスタッフが証明書が必要かどうか訊いてきます。
②店頭か電話連絡で
アコムの契約を解約するには、アコムの有人店舗に出向く方法と、電話連絡する方法の2つがあります。有人店舗は全国に22店あります。店舗が近くにないという場合には電話連絡で可能です。
店舗の営業時間は平日の午前9時から午後6時までとなっています。電話は「アコムカードローン総合デスク」で受け付けています。受付時間は店舗と同様に平日の午前9時から午後6時までです。アコムは全国に1000店舗以上の無人店舗の「自動契約機むじんくん」を設置していますが、ここでは解約できないので注意しましょう。
手間がかからないのは電話で解約する方法です。最短で10分で手続きが完了します。完済と同時に解約したいときや、解約書類の受け取りで家族に知られたくないときには店舗が良いでしょう。電話で申請すると、解約証明書が郵送によって届くまでに約1週間くらいの時間がかかります。
③店頭での解約
店頭での解約では、本人確認書類とアコムのローンカードを持って窓口に行きます。スタッフに解約したいことを伝えると、本人確認書類の提示を求められます。スタッフが借入残高を確認して、ゼロになっていれば問題ありません。ローンカードを返却しましょう。
解約証明書が必要かどうかを尋ねられるので、必要なら請求しましょう。ほとんどその場で発行されます。ローンカードは返却した時点で破棄されて使えなくなります。
店頭では実際に担当者とやり取りするので間違いがありません。本人確認書類もコピーが取られるわけではなく、店頭に来ている人が利用者本人であることを確認するだけです。申し込みのときのように書類に様々な項目を記入するようなことはありません。
④電話での解約
電話での解約では、まずアコムの総合カードローンデスクに電話をします。スタッフに解約したいと伝えると、本人確認のためにカード記載の会員番号と生年月日を訊かれます。
確認が取れたらカードの返却方法と解約証明書をどのようにして受け取りたいかという希望を訊かれます。郵送でも店頭の窓口でも構いません。カードの返却と解約証明書はセットです。解約証明書が必要なら、カードも返却する必要があります。
もし証明書が不要であるならカードの処理も自分でやって良いことになっています。少し硬めのハサミなら簡単に切ることができます。
⑤解約証明書の発行
解約証明書は、解約するときにスタッフに必要であることを伝える必要があります。スタッフからは何も返却するものはありませんが、証明書に関しては必要かどうかを必ず聞いてきます。
解約証明書の発行には、残債がまったくない状態であることが確認されていること、利用している本人からの申し出によって解約したこと、また解約が完了していることの3つが条件となります。手続きが終わればこの状態になっているので、特に難しいことではありません。
解約証明書は、完全にアコムとの関係がなくなったことを証明する書類です。近年ではネットで契約するケースが多いので、解約証明書がなければ解約したという事実は証明できません。
解約証明書が必要となるケースとして、おまとめローンがあります。おまとめローンは複数の借入を一本化するもので、融資の条件として解約証明書を提示することが必要になっていることがあります。このときには必ず証明書を発行してもらいましょう。
アコムを完全に解約するための5つの注意
解約は手続きそのものは簡単ですが、いくつか注意しておいたほうが良いことがあります。利用残高をゼロにする「完済」という状態にもっていく必要がありますし、また完済したからといって解約したことにはなりません。
①完済すること
解約するには、完済しておく必要があります。借入残高を完全にゼロにすることです。完済するときにはネットのマイページなどで残高照会をしておきましょう。
完済というのは1000円未満の端数まで完全にゼロにすることです。999円以下の残高はATMでは入金できません。そのため、これを「無利息残高」としています。まったく利息がつきませんし、この支払をアコムから請求されることがありません。次回に利用するときに精算することになっています。
ところが、これが残っている状態では完済にはなりません。まだ契約は続行中で、あくまで利息がつかないというだけです。ATMで999円以下の小銭を取り扱うことができないのは業者であるアコムの責任であって、契約を続けるのであれば特に支払う必要はないということを意味しています。
ただ、解約するには完全にこの端数まで返済しきる必要があります。
②ATM等手数料もすべて返済する
アコムのマイページを見てみると、利用情報の下に「無利息残高」の欄があり、さらにその下に「ATM等手数料」という欄もあります。ここもゼロにしないと完済にはなりません。
ここに含まれるのはコンビニなどの提携ATMを使ったときの手数料だけではありません。実は新規契約時には200円の印紙代がかかっていて利用者が支払うことになっており、これが残ることがあります。
また、カードを紛失して再発行したもらったことがあるとき再発行手数料の324円がかかりますが、これがATM等手数料として残っているケースがあります。
このように、完済するときには1000円未満の端数の処理が大きな問題となります。店頭で完全に端数まで支払うという方法は、この点では楽と言っていいでしょう。
③ネットバンキングか振込で
店頭ではなく電話連絡を利用することにしたときには、ネットバンキングか銀行振込を使うと1000円未満の端数まで完全に支払うことが可能です。アコム側の手数料がかからないので便利です。銀行側からの手数料がかかるかどうかを確認しておきましょう。
アコムのマイページにログインして「インターネットによるご返済の手続き」から画面の指示に従って返済するだけです。
インターネットバンキングを利用していない人には銀行振込が良いでしょう。これも銀行側の手数料をしっかり確認しておきましょう。100円程度の手数料しかかかりませんが、残債ぴったりの額を送金してもアコム側に着金したときに、わずかな残高が残ることになります。
④店頭が便利
手数料もかからず、確実に完済して解約手続きまで一気に完了するのは店頭で完済する方法です。スタッフに「全額返済したい」と伝えるだけで完済できます。混んでいなければ10分程度で完済手続きは終了します。完済して解約まで実行したいときも、それをスタッフに言っておけば確実に実行してくれます。
ただし、ローンカードと本人確認書類が必要になるので注意しましょう。本人確認書類としては運転免許証が最も手軽で確実です。パスポートでも良いでしょう。2つとも所有していないときには事前に連絡しておきましょう。住基カードや健康保険証でも通用することがあります。
⑤アコムマスターカードでは約4ヶ月待たされる
注意したいのは、アコムのカードローン機能にショッピング機能が付帯した「アコムマスターカード」を利用している場合です。世界的な決済ブランドであるマスターカードとして利用できるようにしたカードです。このカードを解約するのも、解約方法は通常のカードと同様に借入残高をゼロにして完済して有人店舗か電話で手続きをしてもらいます。
ただ、このカードにはマスターカードとしてのショッピング機能が付いているので、解約手続きが4ヶ月程度待たされることがあるので注意しましょう。ショッピング利用では、利用した店舗やサービスによっては支払いを計上するのに1ヶ月以上かかることがあります。海外では3ヶ月程度かかることも珍しくありません。
解約してカード利用が停止されると計上した利益が店舗負担になってしまうので、このような事態が発生しないように余裕を持って4ヶ月程度保留されます。
解約したほうがいい人・悪い人
①住宅ローンを組もうとしている人
マンションや一軒家を購入するときに利用する住宅ローンでは、申込者の年収に対してどの程度の割合で返済していけるのかを審査の対象とします。「返済比率」という住宅ローンの事前審査で重要な項目があり、この計算をするときに消費者金融業者を利用していると不利になります。
アコムから借り入れしてお金を返済に回すと住宅ローンの支払いに影響が出ると判断されるからです。アコムなどのカードローンだけでなく、クレジットカードのキャッシング枠も同様の扱いを受けます。
アコムで完済したからといって、解約もせずに放置している人は住宅ローンなどの大型のローンを申し込む前に解約しておきましょう。
②信用情報が悪化した人
アコムでは、いったん解約すると5年間は審査に通りにくくなります。年収が減ったとか正社員から契約社員になったなどの、個人属性がマイナスに振れてしまった人や、アコムで返済の遅延や延滞があって信用情報が悪化した人は解約せずに利用限度額の枠を残しておいたほうがいいでしょう。
いったん解約してから再審査を受けたときに、同じだけの限度枠をもらえなくなる可能性があります。
まとめ
アコムのカード解約は、公式サイトにも詳しい説明がないため分かりにくい面があります。近くに有人店舗があれば出向いてすぐに解約可能ですが、そうでないときにはやり方も分からずに放置してしまいがちです。住宅ローンなどの大型ローンを申し込みたいと考えている人は、なるべく早く解約しておきましょう。
店頭でしつこく引き止められることもなく、淡々と解約手続きをしてくれます。