学生の身分でアコムからお金を借りることについて、心配になる人も多いでしょう。アコムは大手の金融機関であり、三菱UFJファイナンシャル・グループの一員です。何かあったら怖い人がやってきて厳しい取り立てをするといった、映画やドラマのようなことは起きません。安心して利用できる金融機関です。
目次
借入できる条件
学生がアコムから借入をするにあたって覚えておきたいのは、まったく無収入の人にはどのような金融機関であってお金は貸さないということです。実家からの仕送りは収入ではありません。あくまで、自分で働いて稼いでいる人が自分の責任でお金を借りるために利用するのが金融機関です。アコムであっても、そこに変わりはありません。ただし、アルバイトなどで定期的な収入があれば利用可能です。
20歳以上であること
学生がアコムから借入するといっても、20歳以上でなければいけません。これは民法第4条において、成年は20歳以上と定められており、それ以下は未成年と扱われるからです。民法の第5条には、未成年が親権者などの法定代理人の同意を得ずに結んだ契約は破棄できるとされています。例外的に男性であれば18歳、女性なら16歳以上で結婚しているときには成人として扱われます。
民法上は基本的に20歳未満は未成年で、こういった人たちは社会が守るべきであり、法律行為を単独で実行する能力が備わっていないとみなされています。もし、未成年にお金を貸す契約を結んでも、未成年にはそもそも契約を単独で行う権限がありませんので、一方的に破棄できることになってしまいます。そのため、アコムなどの消費者金融機関では、契約は20歳以上であることが絶対的な条件となります。
収入があること
アコムと貸金契約を結ぶには、一定の収入があることが条件となります。学生であっても、20歳以上でアルバイトなどの定期的な収入があるとき、それは安定した収入としてみなされ、契約を結ぶことが可能です。
「安定している」と認定されるのは、月に1回以上の給与などの収入があるときです。学生のバイトで多いのは塾講師や家庭教師でしょう。塾に講師として所属しており、塾の経営会社から毎月給与が振り込まれているのであれば、それは安定して継続的な収入です。花屋でも本屋でも構いません。毎月、定期的に給与をもらっていることが条件です。日雇いのアルバイトも学生には人気です。日払いで即金が手に入るのがメリットですが、これはアコムとしては安定した収入とはみなしません。安定した収入としての目安は月収8万円と言われていますが、月3万円程度の収入でも審査に通ったという事例も報告されています。
どのくらいのバイト実績が必要?
家庭教師でも、ビル清掃のアルバイトでも、毎月の収入が「安定して継続的に」入ってくるとみなされると、アコムの借入契約を結べます。このとき、どの程度の期間働いていると継続的とみなされるかという問題があります。アルバイトの契約をしたらすぐにアコムと契約できるわけではありません。
少なくとも1ヶ月以上、つまり1回は給与をもらっている必要があります。まだもらってもいない給料を安定・継続的な収入とみなすのは不可能でしょう。社会人がアコムを契約するときに給与明細書の提出を求められることがありますが、通常は直近の2ヶ月です。2ヶ月分の給与明細書があるということは、働いて3ヶ月目を超えていることを意味します。学生バイトの場合も、これにならって3ヶ月程度は継続的に1箇所で働いており、2ヶ月分の給与が出ていることが望ましいと言えるでしょう。
審査に必要なもの
アコムの審査で必要な書類は「本人確認書類」です。申込書に記載された名前の人物が確かに存在していることを証明できる書類が必要になります。最も手軽で通用しやすい証明書が運転免許証です。運転免許は国家資格で、免許証は都道府県公安委員会が発行する公文書です。顔写真が付いており、住所と生年月日が記載されているため、身分証明書としては最も強いもののひとつです。もし運転免許証がなければ、パスポートが良いでしょう。この他、健康保険証でも代用できるケースがあります。
また、収入証明書は学生向けローンでは不要であることが多いです。利用限度額の希望額が50万円以下のときや他社を含めた借入総額が100万円以下のときには、原則的に収入証明書の提出は求められません。ただ、審査次第では提出が必要になることもあります。アルバイト先からもらう給与明細書は必ず保管しておきましょう。
学生向けのアコムの契約パターンは?
学生でアコムを利用している人は数多くいます。テレビや電車の車内広告などによる知名度が高いからです。申し込む側としては、初めての利用であれば心配する気持ちも起きるかもしれませんが、アコムのほうは学生との契約にも慣れています。安心して契約しましょう。
審査は必ずある
アコムなどの消費者金融機関では、新規借入契約では必ず審査があります。アコムとしては、お金を貸して、それを利息付きで返済してもらわないと経営が成り立ちません。そのため、お金を貸してもしっかり返済してくれる人かどうかを審査します。
審査内容の詳細は極秘事項ですので多くの証言から推測するしかありませんが、総合すると収入は多いほうが審査に通りやすく、1箇所で働いている期間が長いほど良いとされています。また、電気や水道などの公共料金の滞納がないことや携帯電話の利用料金の支払い遅延がないことが重要です。クレジットカードを使ったときの支払状況も審査対象です。ここで返済遅延などがあると審査では不利になります。
どのくらいの額を借入できる?
アコムでの学生の利用限度額は、申込書に記載された年収額から算出されます。他社からの借入がまったくないとすると、年収の3分の1が利用限度額となります。これは総量規制という法律が適用されるからです。たとえば毎月のアルバイト収入が5万円であるとき、年収は60万円です。この3分の1である20万円が利用限度額として設定されます。
とはいっても、年収の3分の1いっぱいまで限度額の枠が与えられるとは限らないので注意しましょう。アルバイト収入の学生は正社員や公務員に比較すると安定性に欠けます。そのため、契約当初の限度額は10万円と設定されることも多いので、あまり過度な期待はしないほうが良いでしょう。
金利は?
アコムの公式サイトでは、契約限度額が1万円から99万円までのとき金利7.7%から18.0%が適用されるとしていますが、よほど契約者に有利な要素がない限り、適用される金利は18.0%と考えていいでしょう。学生向けの契約でも金利18.0%が適用されることが多いです。
このときの適用金利は年利であることに注意しましょう。もし10万円借入すると1年間にかかる金利が1万8000円となります。アコムではさらに、これを365で割って「日割りの利息」を適用します。1万8000円を365で割ると約49円です。これが1日の利息となります。30日または31日おきに返済すると、1ヶ月の利息は1479円になります。アコムで10万円借入して、それを毎月5000円ずつ返済すると、返済回数は25回、総返済額は12万3709円となります。
在籍確認は?
アコムで借入契約を結ぶときには、必ず勤務先への在籍確認が実施されます。これは、アコムの担当者が申込者の勤務実態を確認するために、職場に電話をかけて本当に在籍しているかどうかを確認するものです。勤務していなかったり退職していたりしたとき審査には通過できません。学生としては審査のひとつのハードルと言えるでしょう。
アコムでは利用者に配慮して、会社名ではなく担当者の個人名で電話をかけることにしています。この個人名で偽名を使ってはいけないという法律があるため、「友人の名前で」と依頼することはできません。ただし、電話をかける人の性別は選べますし、電話をかける時間帯もある程度の要求を聞き入れてくれます。塾講師のアルバイトをしているなら、自分が出勤している時間にかけてもらって自分で電話に出ることも可能です。このとき、もし自分がその場にいなくても電話に出た人が「〇〇は今席を外しています」などと答えれば、それで在籍確認が取れたことになります。家庭教師や派遣のアルバイトでは、いつも決まった場所で働いていないというケースもあります。こういったときには派遣元となる会社に電話をかけることになっています。どうしても在籍確認の電話をかけてほしくないという場合には、担当者に相談してみましょう。ある程度の融通を利かしてくれます。
親バレを防ぐ方法
アコムを学生が利用するとき、最も恐れるのは親にバレることでしょう。「学生の分際で借金するとは何事か」と叱られたり心配されたりするのを学生は警戒します。バレやすいタイミングを避けるようにすれば、親にも学校にもまったく発覚することなくアコムから借入することが可能です。
連絡先は自分の携帯かスマホで
アコムと契約するときには連絡先の電話番号を通知する必要があります。ここでは自分個人の携帯電話がスマホを設定しましょう。家の電話番号を記載してしまうと申込みの意思確認として自宅に連絡が来てしまいますし、返済忘れや遅延があったときの連絡も自宅に来ます。このときは個人名ではなく会社名を名乗りますので、すぐ発覚してしまいます。
在籍確認では担当者は必ず個人名で名乗りますので、アルバイト先で発覚する心配は要りません。かつては学生であっても固定電話で申し込みをして本人確認を自宅にかけてきましたが、近年では学生の利用も増えたため、アコムとしても配慮をしています。
無人契約機を使おう
アコムを利用していることが親や家族に発覚する最も多いパターンが郵送物です。アコムでは契約するとローンカードや書類が郵送されてきます。アコムは「ACサービスセンター」という名称を使って郵送してきますので初見では発覚しませんが、もし中身を見られるとバレてしまいます。
そこで便利なのが無人契約機です。アコムは無人契約機を全国に設置しており、ここでローンカードを受け取るようにすれば自宅への郵送物なしで契約を済ませることが可能です。おおよそ、「インターネットで審査」「メールで審査通過の通知」「無人契約機でのカード発行を選択」「契約機に自分で行ってカードを受け取る」という流れで親バレせずに済むでしょう。
明細はWeb明細、利用はATMで
また、利用明細書が郵送されることがあります。これを防ぐために契約時に「Web明細」を選択しておきましょう。また、銀行振込で親に発覚することも良くある事例です。銀行の預金通帳をのぞかれて発覚するというケースです。こういった事態を防ぐためには、アコムのATMで借入・返済をするようにしましょう。アコムの店頭に設置されているATMはもちろん、コンビニのATMでも利用可能です。
アコムと提携しているコンビニは、セブン銀行のATMが設置されているセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップです。アコムは三菱UFJグループの一員ですので三菱UFJ銀行のATMも使えますし、三井住友銀行やイオン銀行とも提携しています。熊本銀行や東京スター銀行などの地方銀行とも提携しており、ATMが利用可能です。
契約時に伝えておく
アコムを利用する学生は非常に多く存在しており、アコムは学生の扱いに慣れています。学生がアルバイト先や親に消費者金融機関の利用を知られたくないと強く思っていることを良く知っています。学生や主婦、女性などは不安な気持ちで契約をしていることはアコム側は熟知しており、そのためのコールセンターも設けています。
親バレしたくない、職場への在籍確認もなるべく上手にやってほしいといった相談を受け付けています。金融機関としては、学生は将来的な顧客として見込まれていることもあり、相談すればかなり丁寧に対応してもらえます。契約に関して分からないことや親バレの不安などがあれば、直接コールセンターに相談するのも良いでしょう。
学生のアコムでの借入で覚えておきたいこと
アコムで学生がお金を借りて、それを返済するというのは実際にはあまり大変ではありません。10万円の借入は毎月1万円ずつ返済していれば1年以内に完済できます。しっかり返済している限り、大きな問題は発生しません。
就職で不利?
学生が勘違いしていることのひとつに、アコムなどの消費者金融機関からの借金は就職活動にマイナスの影響があるということが挙げられます。これはまったくのデマです。アコムを利用していることは本人の信用情報を閲覧しない限り発覚しません。
個人の信用情報を閲覧できるのは銀行や消費者金融機関であり、しかも閲覧できるのは申込みや増額申請などがあったときか、6ヶ月に1回の本人の利用状況確認のときです。金融機関といえども閲覧には制限があります。それ以外のときに信用情報を閲覧するには、本人の同意が必要になります。就職活動で応募した会社が勝手に学生の信用情報を調べたり閲覧したりすることはありません。
返済できなくなったら?
アコムの借入に対する毎月の最低返済額は3000円です。これは借入額が増えるごとに高くなっていく仕組みです。返済を滞りなく行っている分には誰にもバレませんし、問題はありません。ただ、返済期日までにお金が用意できないということもあり得ます。こういったときには、なるべく早くアコムの相談窓口に連絡しましょう。「アコム総合カードローンデスク」というところがあり、相談可能です。
良く使われる手段として利息だけを返済するという方法があります。借入額が10万円のとき、アコムでは1ヶ月に利息が1479円かかります。本来的には最低返済額の3000円を返済しなけらばなりませんが、カードローンデスクに相談すれば利息のみの支払いを受け付けます。元金は1円も減りませんが当座をしのぐことが可能です。このほか、支払期日には間に合わないが、その何日か後には必ず返済できるという場合にも相談してみましょう。限度はありますが、ある程度の期間返済を待ってもらえます。
延滞が続くと
アコムの利用者の返済が遅れることは良くあることで、アコムも慣れています。1回や2回、数日遅れた程度では大きな問題とはなりません。何も連絡しないのが最もマズイです。遅れそうになったら必ず連絡しましょう。
また、あまりに返済遅延が続くとアコムとしても対応せざるを得なくなります。個人情報機関に利用者の遅延・延滞という情報の記載を求めます。個人情報機関にこのようなネガティブな情報が記載されることを、俗に「ブラックリスト入り」と呼びます。程度次第ですが、長ければ5年から10年ほどブラックリスト入りする可能性もあります。その間は新しいローンを組んだりクレジットカードを持ったりすることが不可能になります。返済は計画的に行いましょう。
携帯やスマホの支払いに注意
学生がブラックリスト入りしてしまう理由として、携帯やスマホ料金の未払いがあります。電話代の支払いの遅れ自体はブラックリスト入りとはあまり関係ありません。携帯やスマホの利用料金には、端末そのものの代金が含まれます。これは利用明細などを見ると分かります。電話料金に端末代が上乗せされて請求されるのが普通です。この端末代は分割払いです。
分割で何かを購入するということは、借金の返済と同じ扱いです。そのため、スマホ代の滞納によってブラックリスト入りすることがあり得ます。もしブラックリスト入りしてしまうと、その途端にアコムのカードも使えなくなります。ある日突然、ATMで借入ができなくなるという事態は頻発しています。注意しましょう。
どうしても返済が無理なとき
アコムで借りたお金の返済がどうしてもできないという事態に陥る可能性もゼロではありません。バイトをクビになることもあるかもしれませんし、思わぬ出費が続いて返済日にまったくお金がなくなることもあるでしょう。1回や2回遅れるくらいならアコムとしても対処してくれますが、いよいよまったく支払う見込みがなくなってしまう可能性もあります。こういったときには弁護士や行政書士といった法律の専門家に借金の整理を依頼しましょう。
アコムだけでなく、金融機関からの借入から逃れることは現実としてほぼ不可能です。いわゆる「シカト」は通用しません。何もせずに放置していると財産の差し押さえにまで発展します。そうなってしまう前に法律の専門家に相談しましょう。全国に「法テラス」という相談所が設置されています。借金の整理についても相談可能です。相談当日に即刻対応してもらえます。
まとめ
アコムは歴史のあるしっかりとした大手の金融機関です。学生相手の貸出にも慣れており、分からないことは丁寧に教えてもらえます。まずはきちんと返済の手段を確保し、虚偽のない申し込みをして審査を待ちましょう。早ければ審査は30分程度で終わり、申し込みした当日に融資してもらえます。アコムで借入して、それを遅延なく完済すれば「クレジットヒストリー」として個人信用情報機関に登録されます。借りたお金を返せる人間と評価されることになります。